日本で、ジャズのリスナー
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日本で、ジャズのリスナーが少ない理由を考えてみました。 |
1. 学校教育でクラシックは学ぶが、ジャズは学ばない。 (教養とは考えられていない。) (未知のジャンルで終わる。) 2. テレビでは、最新J-POPの番組と昭和歌謡を振り返る番組ばかりでジャズ番組は無い。 ・クラシック番組は有るが。 ・世間に人気のない音楽なのでスポンサーも付かず番組を組めない。 ・だからこそ、たまたま2003年に人気テレビ番組「情熱大陸」で取り上げられた1stアルバム当時の"上原ひろみ"が独り勝ちのように大人気に成った。( 近年は若者のテレビ離れも顕著なので、別のアーティストが現在、テレビで取り上げられても、かつてのようなブレイクは起こらない可能性あり。) 3. ラジオは多少はジャズ番組が有るが、時間帯が遅くだったりで聴く機会がほとんど無い。 ラジオについても、1970〜80年代は「深夜ラジオ=若者文化の中心」な面があったが、テレビゲームとインターネット(YouTube含む)の普及でラジオを聴かなくなった。最近ではSNSへの熱中。 4. ジャズに興味を持った人が既存の多くの1950,60年代ジャズ信奉者により1950,60年代ジャズに誘引され、音質を含め古臭いので、興味が長く続かない。 5. 現代進行形のジャズとして、ロバート・グラスパーなどR&Bとの融合音楽など非ジャズばかりが称賛され、正統派の現役のジャズのアーティストが紹介されない。 古典ジャズ(1950,60年代)か、ジャズからの越境、の二択しか紹介されない。 6. また、ロバート・グラスパーのような越境ジャズは、新規のジャズ・リスナーに「これもジャズなの?」と煙に巻かれるような面もあり、2匹目のドジョウを狙った粗悪なアルバムも多く存在するので、興味が長く続かない。 7. 1970〜1980年頃には存在したジャズ喫茶も、ほとんど無くなり街中でジャズに出会う機会はなくなった。 ・ 手軽で入店しやすいマクドナルド、ドトール・コーヒー、スターバックス等のコーヒーのチェーン店に客を奪われた。 ・ また、残っているジャズ喫茶も1950,60年代の古いジャズばかりを流し、現代の良質な正統派ジャズ・アーティストのアルバムを流すことなどほぼ無いので、堅苦しく、1950〜1970年頃のような現在進行形な感じが皆無。古墳のような存在。 8. ジャズに対して「難しい」「敷居が高い」「古臭い」といったイメージが先行し、新しいリスナーが「聴いてみよう。」と思いにくくなっている。 ・ 1990年代のコンテンポラリー・ジャズには難解なものが多く存在する。 ・ 何から聴いて良いか分からない=敷居が高い ・ 知っている好きなアーティストでもなければライブ・チケット代が高いと感じる=敷居が高い ・ 1950,60年代ジャズに誘引されても=古臭い。特に音質が。 9. 学校の吹奏楽部(スクールバンド)はジャズっぽいこと(「シング・シング・シング」「A列車で行こう」など)を演奏することもあるが、「ジャズっぽいことをやった」で終わってしまい限定的。 10. J-POPのように若者を引き付ける可能性ある若いジャズ・アーティストは、世間のジャズの不人気とサブスク(Apple Music, Amazon Musicなど)の台頭によりアルバム販売が絶望的なので、小さなライブ・ハウスをこなすことでの小銭しか入らないので、本業の仕事を別に持つ必要があり、仕事とジャズ活動の両立を図らばならず、ジャズを続けて行くことへの障壁が高く、新人アーティストが育ちにくい。 11. 以上のような理由で、若者の新規リスナーが増えないので、かつてのジャズ・ファンも、高齢化により、だんだん亡くなり、ますますジャズ・リスナー人口が減っ来ている。 |